四月後半〜五月前半

4月17日


 今日はA君の誕生日。例によって例のごとく、みんなで彼にプレゼントを用意しよう、ということになりました。クラス替えがあって、特に仲の良かった数人のうち、A君だけ別のクラスになってしまったので、せめて誕生日くらいは盛大に祝ってやろうとみんな気合いを入れていました。


 しかし、仲間の一人、最大の攻撃力を誇るO君が、うっかりプレゼントを鞄に入れるのを忘れてしまいました。


僕「どうするんだよおい。一緒に渡したほうがダメージでかいって絶対」
O「ミスったな…よし、こうしよう」


 そして隣のクラスに向かうO君。とりあえずついていきました。


O「よ、A!」
A「…よぉ」


 A君、すでに警戒態勢です。一体どんなプレゼントを渡されるのかと怯えているようです。しかしプレゼントは用意されていない。一体どうするんだろう、と展開を見ていたら…


O「あのな、ちょっと事情があってな」
A「ん?」
「明日生まれたことにしてくれ」
A「は!?」


 ひどすぎる。
 

5月2日


 同じクラス三年目突入の僕とO君。今年度から同じクラスになり、最近よく話すようになったK君。この三人の会話。


K「俺、親から小遣いもらってるよ?」
O「はぁ!?」
僕「死ね!」
K「いや、なんで」
O「お前、俺なんて毎月1万親に渡してるぞ!」
僕「…俺なんてそれどころじゃないぞ」
K「そうなの?」
O「そのとおり。彬さんの家庭はお前の想像もつかない世界なんだぞ!」
僕「おぅ! 言ってやってくれ!!」
O「そう、例えれば…酸いも甘いも、という言葉があるが、この人は常に酸っぱいところを歩いて生きている人だ!」


 …発酵?
 

5月4日


ほがらか【朗らか】
(形動)[文]ナリ
(1)心が晴れ晴れとしているさま。こだわりなく快活なさま。明朗。




 学校へ向かう通り道に、「ほがらか保育園」という保育園があります。とても小さな保育園で、入り口のところには慎ましい看板が立っています。


 学校からの帰りに、ふと中をのぞいてみると、園児数人がぼーっと何かを眺めていました。なんだろう、と思い、その視線を追ってみると、「ほがらか保育園」と書かれている看板と、その周りをばっさばっさと飛んでいるでっけぇカラス。それをただただぼーっと眺める園児たち。


 ほがらか。
 

5月6日


「ほら、よく言うじゃん、先立つ鳥跡を濁さずって」
「違う」
 

5月6日


「あいつ、いつも暗い顔でさ、仕事もあまり熱心じゃないだろ?」
「そうだね」
「だけど昨日はさ、憑き物が落ちたようなさっぱりした顔で、取り憑かれたように働いてたんだよ。一体何があったんだろうな」
「何かあったんだろうな」
 

5月10日


 疲れてるな、と思う瞬間。床屋にて。


「どうなさいますか?」
「全体的に短くしてください。あと、もみあげは出してください」


 耳を出してくださいって言いたかったんだってさ。