十一月前半

11月4日


 一ヶ月ほど前から、スーパーでバイトをしています。主に、商品の品だしを担当しています。


 商品が入っている段ボールには、いろんな注意書きがあります。「カッター不可」「天地無用」など、中の商品を傷つけないための配慮です。


 今日、段ボールから油を出していたら、こんなことが書いてあることに気づきました。


 「投げ出さないでください」


 は、はい、わかりました。
 

11月6日


 女子バレーボール、日本対イタリア戦、残念ながら日本の負けに終わってしまいました。


 序盤、イタリアのピッチニーニ選手が大活躍し、日本を苦しめます。2セット目まで、連続で取られてしまいました。


 ところが、3セット目、ピッチニーニ選手のスパイクが決まらなくなります。レシーブでもミスがちらほら。そのときの、実況中継の言葉がひどかったです。ミスをするたびに、


「ピッチニーニがおかしい!」
「ピッチニーニが壊れ始めましたね!」
「もう少しで、ピッチニーニを完全に壊せます!!」


 なんだかやたらとピッチニーニを破壊したいご様子。一緒に見ていた兄と「本人がこれ聞いたら訴えられるよね」などと言っている間に、またピッチニーニがミスをしました。


「あー! ピッチニーニが、音を立てて壊れて行くー!!」


 訴えられてしまえ。
 

11月11日


 なんでだか忘れましたけど、そのとき私は、「豆腐は、みんなが思っているよりも固い物質である」ということを証明しなければならない立場にありました。


「豆腐なんて、指で押すだけで壊れるじゃん」
「君たちは、素手で豆腐を貫いたことがあるのかね!」
「いや、ないけど」
「やったことも無いのに、どうしてそう言いきれる! 君たちは自分の拳を過大評価している!」
「豆腐がやわらかいなんてのは、常識だろ」
「常識って何かね! やったこともないのに素手で豆腐を貫くことができるというのは、君たちの想像、いや、妄想である!」


 私の口調が紳士(?)になっているのは気にしないでください。こういうときの癖なのです。と、ここで、友人の反論が始まります。


「お前は、豆腐の味噌汁は好きか?」
「うむ、大好きである」
「箸で豆腐をつかんだことはあるな?」
「もちろん」
「少しでも力加減を間違うと、豆腐はあっさりと形を崩す。これは豆腐が外からの力に対する抵抗力がない、すなわちやわらかいという結論になる。違うか?」
「ぬ、ぬぅ…!」


 ピンチです。あまりにもあわててしまい、こんな反論しか出てきませんでした。


「は、箸の破壊力をなめるなー!」
「叫ぶな!」
「き、君は、ハンバーグを食べたことがあるか!」
「ああ、ある」
「ハンバーグは、肉の塊だな」
「まあ、言い方によってはそうなるけど」
「箸は、ハンバーグをやすやすと切断することができる。これは言い換えるならば、箸は肉の塊をあっさりと切断することのできる凶器であると! 私は!」
「もういい! 席戻れ!」


 学校はとても楽しいです。
 

11月19日


 学校行事で、一泊二日の小旅行に行ってまいりました。何か面白いと思うことがあるたびにメモを取っていたのですが、あまりにも適当なメモの取り方をしたため、大半が意味不明です。


 『バスガイド語録 「や・ま・み・ち(半笑)」 』


 誰か翻訳してください。


 というわけで、記憶に残ったところだけ書きます。私は工業系の学校に通っておりますので、自然見学場所もそういったところになります。そんなわけで、某メーカーの工場を見学してきました。


 大人数が入れる会議室のようなところで、工場の方が会社概要について説明してくださり、その後工場をざっと見せてもらい、最後にもう一度会議室に戻って総括、という流れでした。


 そして、すべてが終わり、あとはバスに乗って帰る、という直前に、工場の方がこうおっしゃいました。


「えー、バスが来るまでもう少し時間があるそうなので、今のうちに、みなさんにトイレに入っていただこうと思います」


 強制か。
 

11月23日


 ふとソープランドの看板が目に入りましてね。


 ロイヤルコース \6000-
 ロマンスコース \4000-



 もう、ダメだと思いましたよ。ロマンスのほうが安いだなんて。貴族的サービスが幅を利かしているなんて。こうして大人は、少年の心を忘れていくわけです。


「でもさ、少年の心があったらそんなとこには行かないって」
「そうかなぁ。じゃ、お前だったらどっちに行く?」
「…ロマンス」
「ほらぁ」


 こんな会話をナチュラルにできる、「心の童貞同盟」に加盟してくださる方を募集しています。略すとKDDです。あらステキ。
 

11月24日


 たまにはAVの話でもしようと思います。


「ほぉーら、今どこをいじられてるのか言ってごらん? どんな感じだい?」
「い、いやぁ、恥ずかしい…」


 こんなありきたりなパターンには、私たちはもう飽き飽きしています。というわけで、僭越ながら、一つ新しい基準を提案させていただきたいと思います。もしここをご覧になっているAV男優さんがおられましたら、是非とも実践していただきたく存じます。


「ほぉーら、○○○を○○○しちゃってるぞ!(○内は任意)」
「やだ、そんなこと言わないで!」
「どうだ、どんな感じだ? 徳川の将軍で例えるとどんな感じだ!?」
「は、八代将軍吉宗ー!!」


 うぉー、超見てぇ。五代目とかすごくダメそうだ。