二月後半

2月16日


「うぉー! マジ燃えてきた!!」
「いや、ちょっと落ち着けって」
「無理! がんがんエロドルフィン出ちゃってる!」


 勝手に妙な生き物作らないでください。
 

2月17日


 えー、古いメモ帳の中に、

 『泥棒を捕らえてから縄をナァーゥ!

 自分の脳内こそがなによりのイリュージョンだと思い知る。
 

2月18日


 僕は童貞ではありません。けれど、心の中は今でも童貞だと思っています。あの頃の気持ちは忘れていません。いやむしろ、今現在のほうが童貞らしく生きているほどです。


 童貞は恥ずかしいことじゃない。むしろ、捨ててはならない尊いものです。そして、何かの不祥事で童貞を捨てざるをえなかったとしても、それは肉体面での童貞を捨てただけであり、精神的にはまだまだ童貞であると言い張れるのです。


 正真正銘の童貞はもちろん、精神面での童貞のみなさん。我らが同盟は、あなたたちの加盟を待っています!


 心の童貞同盟、略称『KDD』


 加盟希望者の方は掲示板、もしくはメールにて、お名前、メールアドレス、童貞歴、または心の童貞歴を明記の上、ご投稿ください。お待ちしています。


 別に、これといった活動をするわけではありません。ただ、増えるごとに人数を報告するだけです。現在はたったの2名ですが(うち1名はほぼ強制)、これが5人10人となってくれば、きっとそれは、肩身の狭い我々の支えになってくれるはずです。


 みなさんの正直なご報告、お待ちしています!


 えー、ちなみに僕の童貞喪失経験ですが、相手がこのサイトを見ている可能性があるので書けません!!


 メアド書いてくれる同盟員が増えたら、メーリングリストでも作って発表しましょうかね、えぇ。お待ちしています、わりと本気で。


 (疑問)
 女性が反応したらどうしたらいいんだろ?
 

2月20日


 中華料理屋さんに行ったら、注文を取りに来たお姉さんが中国の方でした。


「Aコース一人前と、Bコース一人前お願いします」


 この注文に対する、返答。


「ご注文、以上です」


 あ、そう、そっちが決めるの…
 

2月22日


 母親が100円ショップに行くというので、「500円玉でいっぱいにすると10万円が貯まる貯金箱を買ってきてくれ」と頼んだら、間違えて50万円貯まる貯金箱を買ってきてくれやがりました。


 どうしよう。増えるわかめを入れてお湯を注げばいくらか底上げできるかな?とか考えたあたりでふと我に。春は脳みそがるーららしてる人が多発しますのでご注意を。
 

2月23日


 バイト先で、レジの女子高生に突然呼び止められ、こんなことを言われました。


「あの、これ、ちょっとの間ポケットの中に入れておいてもらえませんか?」


 そして、水晶のアクセサリーらしきモノをちらっと僕の目の前にかざしたかと思うと、有無を言わさずポケットに放りこんできました。


 客の落し物なんだけど、今はレジが忙しくて手が離せないのかな? と勝手に解釈して、とりあえず預かることに。


 十数分後、またやってきて、「ありがとうございました」と言って、持って行きました。彼女に返すときも、そのアクセサリーらしきものはよく観察しませんでした。


 その後すぐに、同い年の同僚Y君のところに赴くと、おや? またさっきの彼女が、Y君に先ほどと同じ物を渡しているではないですか。


 ちょっと遠目(約4メートル)にそれを眺めていると、会話が聞こえてきました。


「あの、チョコ、美味しかったですか?」
「ん? あぁ」
「ホントですか? ホントに美味しかったですか!?」
「ん、うん」
「……!」


 そして、顔を真っ赤にして走り去る女子高生。しばし呆然と見送った後、Y君は僕に気がつきました。


「あー。見てた?」
「はい」
「チョコくれたんだよね、あの子」
「へー、そうなんですかー」
「どうやってホワイトデーばっくれようか悩んでるところ」
「あはは」


「さっき、なんか渡されてませんでした?」
「あ、なんかアクセサリーみたいなの」
「あ、やっぱり。僕もさっき渡されたんですけど、なんなんでしょうね?」
「ね。なんなんだろう」


 そうして、Y君がポケットから出したモノ。僕のポケットにさっきまで入っていたけれど、今はじめてちゃんと観察するモノ。


 雑誌の広告とかに載ってるあやしげなアクセサリーでした。


 あの、パワーストーンの何千倍の波動が! とかいうやつですよ!


「…うっわぁー」
「あらぁ…」
「夢見る乙女…?」
「さぁ…」


 材料@:僕は彼女とはまるで面識がない。
 材料A:Y君はチョコをもらった。
 材料B:パワーストーンの何千倍


 結論:夢見る乙女なあの娘は、憧れているY君に振り向いてもらうために、妙な石を使って僕から運勢を吸い取った。


 あははは! あはははは! 吸い取った運が悲運の塊だって彼女は気づいているのかなー!?


 彼らの恋の行方が楽しみで仕方ありません。
 

2月25日


 友達と喫茶店に行ったら、レジの横に「今日はサービスデイ。120円のドーナツが100円!」と書いてあるのが目に入りました。これはお得。コーヒーはあまり好きじゃないし、お金もないし、ドーナツだけ食べよう。


「お次のお客様、どうぞ」


 店員さんは、落ち着いた感じの可愛らしい方。


「これください」
「はい、126円になります」
「…あれ? 100円じゃないんですか」


 この後の、店員さんの言葉。特別おかしいわけでもないのですが、とても心に響きました。


「あ、すっかり忘れておりました。105円になります」


 育ちがいいんだろうなー。
 

2月26日


「来週から試験か…」
「また眠れない日々が続くね」
「きっついなぁ…」


「俺はさ…おっぱいが好きだよ…」
「なに、突然」
「試験は嫌いだ。試験とおっぱいが逆ならいいのに」
「どういうことさ」
「一年に何回か、一週間くらい、おっぱいまみれの生活を送らないと進級できなければいいんだよ」
「でも、逆だと、女の胸に試験がくっついてるってことになるよ?」
「んー、それはきついか…」
「彼女とデートして、いい雰囲気になって、ホテルに行って、服脱がして、ブラジャーを外すとそこには試験が!!」
「ひぃぃ、怖いよぉぅ」
「問題に正解するといい声であえぐってどうよ?」
「『関が原の戦い!』『ぁ…ん…』」
「おっぱいに地図が書いてあって、この国の首都を指せ、とかね」
「『ほぉーら、ここか? ここなのか!?』『っ、ぃやぁっ!!』」
「でも、間違えるとすっごく冷たい態度を取られる」
「きついな、それ」
「『こ、ここかな?』『……触らないでもらえます? 気色悪いんですけど』」
「いい点数取ったらどうなるのかな」
「そりゃあもう、もみ放題だろう」
「おー」
「いいねー」
「…さて、と」
「…うん」


 試験前ってこんなですよね。
 

2月27日


 同じことを言っても、それを言う人によって印象って変わりますよね。バイト先の社員さんなんですけど、すごいんです。パートのお姉ちゃんに、こんなこと言っちゃうんですよ。包丁を研いだ直後だったらしいんですけど、


「おい、ちょっと試しにブラジャー切らせてくれ」
「チーフ、それセクハラです…」
「いや、別にお前の乳が見たいわけじゃなくて、切りたいだけだから」
「あはは」


 こんなことを言っても、「あはは」ですませられてしまう人格って、素晴らしいと思いますね。僕もこんな風になりたいです。


 あ、これから一週間ほど、日記内でのおっぱい出現率が高くなると思いますけど、まあ試験中ですからね、当たり前ですよね。当たり前なんですかね。
 

2月29日


 ファミレスで勉強をしていたら、地元の悪友どもに見つかってしまいました。


「おー、何、試験勉強?」
「うん、そう」
「あっはっは」


 そうして、当たり前のように同席する悪友三人。


「こないだ○○が○○しててさ」
「え、マジで!?」


 もちろん、勉強になどなるわけがありません。十一時ごろから勉強をはじめて、彼らが来たのが十二時半、「もう帰るか」と言い出したのが午前三時。もう勉強する気なんて一切なくなっておりますので、僕も一緒に店を出ました。


「あーあ、結局全然勉強しなかったなぁ」
「じゃあ、サッカーしようぜ」


 何が「じゃあ」なの?


「オッケー!」


 何で承諾してるのー!?>あの時の自分


 えー、その後一時間半ほどサッカーをして、「ドライブ行こうぜ」って言われて、もう当たり前のように承諾して、新宿まで意味も無くドライブして、家に着いたのは朝の六時でした。うん、試験? なんだそれ。