送信を途中で止めても、届いてしまうことがある。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 ・ある男の葛藤

『由美子君、愛とはなんぞや。恋とは何かね。ん? ほれ、答えてみないか君! 無理? ド馬鹿ー!!』

「って違う! ラブレター、いやラブメールだから! 喧嘩売ってどうする! えーと、えーと」

『僕はうどんが好きです。でも、君のことはもーっと好きです』

「って、俺は頭の弱い小学生かー! あー、もうどうして俺こんなことしか書けないんだろ。もっとこう! ロマンス! そう、ロマンス!」

『ヘイガール、空を見てごらん。赤茶けてる? ははっ、そいつぁ光化学スモッグだ』

「おしい! 空までは良かった! ちょっと現実見過ぎたね、リアリストすぎるぜ俺!! メルヘン、そうメルヘン!」

『夜空にぽっかり浮かぶ月、そして降り注がんばかりの星…まあ、降り注いだらそれは流れ星だし、流れ星なんて実際は大気圏突入時に燃えてる塵とかだけど、そこらへんはマインドコントロールで忘れよう、僕らはまだ若いんだから?』

「疑問符! ラブレターなのに疑問符はまずいだろう! って、そういう問題じゃない気もするなーあーもー!!」

『うどん喰う?』

「うどんは忘れろーーーーーーーー!!」


 ・ある女の独り言

「…うどん?」

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